
今日はちょっといつもと変わって自分の体験談を書きます。
私は10年弱の間、IT企業でSEとして働きました。
「ブラックな企業が多い」「残業ばかりで家に帰れない」など、言われるIT企業です。
IT業界は「ピラミッド構造」な点が建設業界に似ているとよく言われます。
大きな受注案件を大手企業が受注して、その仕事を子会社に委託し、さらにその子会社である孫会社に再委託していくという仕組みで成り立っている点です。
私はご縁があって大手のIT企業に就職が決まり、大手企業ならばピラミッド構造の頂点になるため、ブラックではないと期待していました。
しかし、大手IT企業でもしっかりブラックでした。
正確には、福利厚生や給与はそれなりに保障されますが、過酷さが勝り、割に合いませんでした。
今思い返しても絶対戻りたくないと思うほど、過酷な場所だったと思います。
今日は、私のIT企業時代の体験を踏まえ、ブラックなIT企業の特徴をお伝えします。
- IT業界への就職や転職を考えている方
- ブラックなIT業界の実態を知りたい方
- ブラックな職場に疲れてどうすればいいか困っている方
こんな職場はブラック!
残業するのは当たり前
部内に定時で帰宅する人はいませんでした。
定時内は毎日100通以上くるメール返信や問い合わせの回答で終わる日も多く、本格的に自分の仕事ができるのは定時以降になるなんてことが日常。

労働基準法の36協定により月々の残業時間の制限がありますが、人事から残業規制の指示があれば、サービス残業するのが当たり前の風潮でした。
サービス残業を上司の指示でやるとパワハラになるため、やってない人が多いと思います。
しかし、できないことを言えない雰囲気で、仕方なく退勤時間を不正したり、休日出勤している人は私の周りにも結構たくさんいました。
みんな忙しい。みんなもたくさん残業している。
自分も限界まで残業するのが当たり前。サービス残業が当たり前。
日本人は昔から、みんなと一緒の考えを好むように教育されたことで、このような考えを持つ人が多いと思います。
しかし、そんな悪しき風習がある職場はブラックな職場です。
「残業するのが当たり前」が改善されない理由
- システム開発は絶対的に納期優先、納期厳守という考えのもと行われます。一般的な仕事でも納期は大事だと思いますが、システム開発は納期を守れないと次は仕事をもらえないため、納期厳守は絶対的なものなのです。
- 大きな案件はスケジュールの作成が甘いことが多く、最初に提示したスケジュール自体が無理なスケジュールになっていることも多いです。
- システム障害の迅速な対応も同時に求められます。品質がよくないシステムほど、悪循環となり、抜け出すことが難しいです。
常に人が足りないのに、増えない
私が担当していた部署は、いつも人手が足りていない状況でした。
人も足りないし、みんな忙しい。
だから、自分も残業して頑張るしかないと思っていました。

人が足りないのに増えない。それは、完全なブラックな職場です。
私が新人の頃はなぜ人を増やさないのか不思議に思っていましたが、それは過剰なコスト削減でした。

システム開発で人が足りないのに増えない理由
- システム開発はコスト削減が大きな功績になります。
最低限の人数でシステム開発を成功させることがよいという考えで回っています。
お客さんに迷惑をかけるような大きな問題が起きない限り、十分な人数は確保されません。 - 新規案件の受注策略として、最初から赤字で受注するシステムも多数あります。その場合は、赤字の額を少しでも抑えたいので、もともと人が足りない状態で頑張る方針です。人が増えるはずありません。
精神を壊して辞める人が多い
精神を壊して辞める人や休む人をたくさん見てきました。
私も、精神を壊しかけたことがあります。

「一生懸命働いてあなたが精神を壊しても、会社は守ってくれません。」
これは私が精神を壊しかけたときに、信頼できる先輩に言われた言葉です。
会社は、精神を壊した人がいなくなってもまた新しい人を入れればいいだけなんです。
当時はその言葉がすごく悲しかった・・・
私は責任感が強く、体調を崩しても自分が休むと迷惑がかかるからと一生懸命働こうとしていました。

でも、今はその言葉が事実でしかないとわかっています。
精神を壊しかけた私にその言葉をくれた先輩には本当に感謝しかありません。
もしも、私と同様にこの言葉にグサッときた方がいれば、あなたは少し頑張りすぎているかもしれません。
会社は守ってくれないことを理解して、自分で自分を守るために少し一歩立ち止まって考えてみることもいいかもしれません。
上司が問題を放置する、もしくは対応が遅い
上司やシステム開発の責任者がそもそも問題な場合も多くあります。
過酷なIT企業で若手時代を乗り越えた人が、必然的に上の役職になっています。
私の上司の自慢は「若い頃の残業記録」でした!
昔よりはよくなったの一言で終わり、残業や人手不足に関しては本気で改善させる気はありません。

問題が起きて、人を追加しても時はすでに遅し。
後手後手の状態では何をしてもなかなか改善されず負のスパイラルに陥ります。
一番怖いのは、それが当たり前だと思っている上司やシステム開発の責任者の価値観です。
たくさん仕事をしたからすごいわけではありません。
短時間でも確実に成果を出せる人や、問題を真摯に受け止めて素早く的確に対処する人がすごいと私は思います。
人を変えることは正直難しいので、変わることはないと思ったほうがいいです。
上司に相談したときの反応や対処の仕方を踏まえて、こんな上司に当てはまると思った方は、自分の仕事の範囲を線引きするなど、自分を守るための行動を考えましょう。
ブラックの特徴にドキッとした方へ
前述したブラックの特徴に当てはまるものがあれば、あなたの職場はブラックかもしれません。
転職すべき・・?
転職をすることも視野に入れたほうがよいですが、現状からとにかく逃げたい・・!と思っているなら、少し待ったほうがいいです。
あなたが次の職場で何をやりたいかを明確にしてからにすることをおすすめします。
なぜなら、ただ逃げたいと思っているひとに魅力を感じないからです。
次の職場で何をやりたいか、何を貢献するかを明確にして転職活動しましょう。

働き方変えてみる
まだ次の職場で何をやりたいかわからない方は、ブラック職場で働く必要がありますが、その場合はブラック職場の常識に洗脳されないようにして働き方を変えてみることをおすすめします。

具体的には、以下のようなことがおすすめです。
- 時にはNOといえるようになる
(自分のキャパを超えているものを無理して引き受けない) - 自分のストレスになる「~であるべき」思考を捨てる
(みんな忙しいから自分も頑張る、など) - 自分の責任範囲とそれ以外の範囲をしっかり切り分ける
- 自分の責任範囲の中でも”ひとりで難しい部分”はいろんな人に相談してヘルプを求める(みんな忙しいからと遠慮しない)
考え方を変えてみる
働き方を変えればいいと言われても中々急には変えれないという方もいるのではないでしょうか?
大丈夫です。私がそうでした。
みんなできているのにと人と比較してしまったり、できない自分が悪いのではないかと自己嫌悪になり、なかなか働き方を変えることができませんでした。
そんなときに、少しずつですが考え方や働き方を改めることができたおすすめの本をご紹介します。
この本は、「心理学の三大巨頭」と称される、アドラー心理学を、「青年と哲人の対話篇」という物語形式を用いてまとめた一冊です。
「どうすれば人は幸せに生きることができるか」という哲学的な質問に、この世界のひとつの真理とも言うべき、アドラーの思想を以てシンプルに回答されます。
タイトルだけを見ると少し極端ですが、私はこの本のおかげで他人に嫌われないように無理しすぎることを辞めて、自分を大事にできるようになりました。

この本は、SEから転職後に読んだ本ですが、SE時代に読みたかったと思えたとても素敵な本です。
精神科医が執筆している「人生をハードモードなRPG」に例えて書かれており、人生を少し楽に生きるためのヒントとして、実践できることがまとめられています。
メンタルを壊してしまった方も、そうでない方も、万人に一読することを勧めたい本です。

休んでもいい
ストレスが身体にきてしまっている方は、少し休んでも大丈夫。
無理に前に進もうとするより一度立ち止まって見たほうが、いい結果が生まれることも多々あります。
人生、長いです。自分のペースでゆっくり進んでいけばいいと思います。
最後に
ブラックなIT企業の特徴や原因をまとめました。
現在は少しずつ改善されているようですが、基本的な体質は変わりません。
- IT企業に就職を考えている方はその会社がブラックでないかもう一度確認するきっかけに
- 現在ブラック企業で働く方は、今後の働き方や転職活動の参考に
少しでもなればうれしいです。

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